読んだ側から本を積んでいく愚か者の読書記録、やっていきます。
前回『赤と青のエスキース 』を読んだ際、「美術が絡む本読みてぇ~」となり購入。初原田マハ になりました。
内容としては短編集でどれも女性が主人公。人生の中で各々がそれぞれの岐路に立たされ、その中で美術作品と関わり、心理的 な成長をしていくもの。
タイトルにもある通り、世界の美術館の常設展示室、いわゆる常設展で実際に鑑賞できる絵が取り上げられています。そのためか著名な画家であってもあまり名前を聞かない作品が多かったです。(ピカソ 『盲人の食事』、フェルメール 『デルフトの眺望』など)
『ゲルニカ 』や『真珠の耳飾りの少女 』のような著名な作品でないことが登場人物に対してある種の親近感(有名でない、どこにでもいる女性って感覚)を引き立たせているようにも思えました。良かったです。
上野の西洋美術館で展示されてるものもあるので今度また行きたいところ。
イシナガキクエを探しています /夜馬祐
『近畿地方 のある場所について』の映画に行きてぇ~という話をバイト先でしたところ、「そういえばテレ東のそういう番組見たんですか?」と言われ、思い返せば見てねぇなとなった僕。帰って飯沼一家、魔法少女 山田とこのイシナガキクエを視聴し、その勢いで書籍も買っちゃいました。
著者は『イシナガキクエを探しています』の番組製作をしていた女性の兄という形式を取っており、局を辞めて自主的にイシナガキクエ探しをしていた妹が不審死を遂げたことでこの本を執筆しているという体です。
前半~中盤にかけてTV放送された全3回、そして配信で公開されたもう1回の内容をまとめ上げ、後半からその先へと進んでいきます。
放送当時ハチャメチャに考察が行われた当番組、イシナガキクエの正体などに解を与える解決編のような内容が書かれています。番組を見て腑に落ちない、オチは??となった人は読んでみてもいいかもしれません。
QRコード を読み込むと新規撮り下ろしの映像が見れたりします。結構手込んでましたよ!
雨の降る日は学校に行かない /相沢沙呼
『medium』『invert』の相沢沙呼 の著作です。以前『彼女』で相沢沙呼 の短編を読んだ際、そういえばミステリ系しか触れてねぇなと思い購入したのが動機の7割です。
残りの3割はインターネット上の知人に表題のような人間が複数いるせいで「アイツらみてぇな題だな…」となったことです。
女子中学生の醜いところが存分に描かれており、こういうやつ俺のクラスにもいたな…となります。中学生時代不快な体験をした側の人間だと苦しくなりそうな内容ですね。
不登校 だったり不登校 になったり保健室登校 だったりと境遇は様々、生きづらさも様々。
個人的なお気に入りは5つめの「放課後のピント合わせ」と6つめの「雨の降る日は学校に行かない」、表題作ですね。
文庫版 近畿地方 のある場所について /背筋
単行本とも映画とも異なる近畿地方 です。今回はどちらかというとまさるさまよりも赤い女とあきらくんに焦点を当てたストーリー展開がされています。ちなみに背筋さんは出ません。
色々と改変こそありましたが、初っぱなの「アダルトサイトで無断転載されたAVの女優にファンメを送る怪異」はそのままでちょっと笑ってしまいました。
単行本にもあった袋とじは今回も付属。なんなら中身増えてました。
読む順番的には単行本→文庫版の方が望ましいですね。ちなみに映画はそのどちらとも異なる解釈なのでまた別で楽しむことができます。
夏は近畿地方 !
短編集をこの前読んだことに加え、しれっと梨が帯を書いていたので読みました。歌集なので読みやすく、数時間もあれば読めてしまうのでオススメです。 歌の形を取っているのでリズムで読むことができるお手軽さなのにもかかわらず、中身はしっかり夢野久作 なのでグロテスクでネチョネチョした歌が多いです。タイトルも猟奇歌っていうくらいだし。
『ドグラ・マグラ 』の冒頭にある「胎児よ 胎児よ 何故踊る」も収録されていてにっこり。
で、『ドグラ・マグラ 』も読みました。実はリベンジ戦なんですけどね。
1回目のチャレンジは大体3年程前でした。長い上に訳も分からず、案の定チャカポコしたあたりでリタイアしましたが、今回は無事完走。冗談抜きで3週間くらい読んでましたね。
ジャンルとしてはミステリーとかSFが近いのですが、作中作の小説や論文、古文書など色々なものを読まされます。そう聞くと現代のモキュメンタリーホラーっぽさもあるのですが、何があれって「読みはしたけどこれがどう本筋と関わるか分からない」文書だらけなんですよね。読了後解説サイトなんかを見てみると「ここは飛ばして良いです」「ここはこのことだけ知っておけば良いです」とか言われてて草。
別に頭がおかしくはなりませんでしたが、『ドグラ・マグラ 』を完走した人とは一種の修行仲間として好意的に接したくなりますね。
こちらもリタイアしていた夢野久作 。確か表題作の3つめ(火星の女のあたり)で切ってました。
3篇からなる表題作「少女地獄」に加え、「童貞」「煙を吐かぬ煙突」「女坑主」が収録されています。
表題作が特にそうなのですが、現代から見ると女性にとって地獄みたいな超男性優位社会の当時で“強い女”がいっぱい出てきます。初っぱなからトンデモ虚言女ですからね。ただ、虚言女をただのキチとして消費せず、虚言を吐き続けなければならなかったような当時の社会を考えさせられる内容でした。ほぼ同時期に発表された太宰治 の『女生徒』とは全然違うアプローチですね。太宰が「少女から見る社会」を描くならば、久作は「社会から見た少女」を描いているように感じます。
右園死児報告 /真島文吉
ちょうど『穢れた聖地巡礼 について』や『フェイクドキュメンタリーQ』が刊行された頃に発売されていたのですが、今になって「特典封入済み」の文言にやられ購入。
前半はSCPに毛色が似ています。「右園死児(うぞのしにこ)」と言う文言を生物や無機物に名付けると災害を誘因するようで、各地で発生した右園死児案件(右園死児と名付けられた生物や物品と報告者)の梗概とその対処・鎮圧についてまとめられています。
1つ事例を挙げると、何ものかが貯水池の名前を「右園死児」に改ざん、発見し元に戻すまでの間に5人が入水したり。
そして後半は右園死児を頑なに隠蔽しようとするだけでなく、右園死児の早期発見のため日本を監視社会にし、右園死児に対応するため特殊部隊を使い捨てる日本政府と軍部に反旗を翻したテロリスト、エツランシャとのバトルものになります。
右園死児関連の汚染物をかき集めて人の立ち入れない聖域を作り、自らも右園死児化したエツランシャと、それぞれの理由で右園死児と深い関わりを持った人間達の頂上戦争。やってることは呪術廻戦です。実際に乙骨みたいなやつもいます。
僕は両方に馴染めた人間なので一冊で二度美味しいくらいに思っていましたが、背筋や梨の本が好きなタイプの人間からの評価は割と二分してますね。
右園死児報告 久 /真島文吉
続編です。最近出たばっかりみたいで、『右園死児報告』を読み終えた次の日に本やダッシュしてしまいました。
続編と言いつつ、前日譚だと思って貰う方が良いですね。
明治政府における右園死児研究と対処の最大責任者であった三田倉九を中心にストーリーが展開されていきます。
三田倉の過去や、前作で紹介された右園死児案件の核心に触れる内容などがあります。くれぐれも順番は間違えないでね。
この世界にiをこめて /佐野徹夜
メディアワークス の佐野徹夜 2作目です。
自殺した若き天才作家・吉野紫苑に届かぬメールを送り続けるひねくれた主人公の元に、返ってくるはずがない返信を受取ったことで動いていくストーリーが魅力。
吉野の遺言や吉野の小説に生きる希望を見出した少女との関わりを通した青春小説の部分も勿論良いのですが、何より小説という虚構を存在しないものとして切り捨てるのではなく、むしろ現実と虚構の両方を受け入れ、愛する姿勢が刺さりました。
現実を生きる人が虚構を描き、虚構として描かれた人が現実を生きる人を支える構図は佐野徹夜 らしいというか、遠野海人と同じような思想というか。多分僕がこういう思想好きなだけかも。
理系の人間はこのタイトルで思うことがあったかもしれませんが、タイトルのiは愛情の愛の他に、虚数 単位のiでもあります。こじつけではなく、作中で虚数 と複素数 平面の話があったのでマジです。
数学における虚数 も本来存在しない数について考えることで、現実(実数)の可能性を広げることができるってことからも、前述した現実と虚構の話に絡んでくるわけです。
1つ難点を挙げるとすれば、佐野徹夜 なので読むと1回バッド入ります。今まで6冊読んできましたが、バッド入らなかったのは君月と『透明に~』くらいですね。ちなみに未読の佐野がもう1冊あって困っています。 読みました。心身が健康なときに読みましょう。
アオハル・ポイント /佐野徹夜
メディアワークス の佐野徹夜 3作目にして、僕が最後まで貯めこんでいたラスト1冊でした。事故に遭い、目が覚めると人の頭の上に謎の数字が見えるようになった主人公(エロマンガ の導入ではありません)。どうやらその数字は人間としてのステータスを表しているようで、端的に言うとモテるやつはポイントが高く、地味なやつは低いって感じ。ひょんなことでポイントが低い地味子と関わり、彼女の告白を成功させるためにポイントアップに励むお話しです。
例にもよって佐野徹夜 作品なのでゴミクズさんは読むとBAD入って鬱モードになります。しかし、本作に至っては例外で、ドデカ鬱を発症して1週間この本読むのを中断していました。
原因はこの子良いじゃんって思ってた女が非処女でDQN にハメ撮りを撮られていたからです。これが脳破壊か…。
割とマジで二度と読みません。背表紙の番号が1 2 4となるのがキモいのでまだ手放してませんが(『アオハル・ポイント』は3です)、一種の呪物だと思っています。処女膜欠品してるんにょ~~~(白目)
青春モノでそこそこ読者に刺さるようなキャラが膜無しなの、普通に法律で作者死刑にした方が良いですよ。
ありがとう三秋縋、信じられるのは貴方だけです。
透明になれなかった僕たちのために /佐野徹夜
先程ボロクソ言っておいてアレですが、これが佐野作品でNo.1です。ベジータ も「お前がNo.1だ」と言っています。
梗概としては双子の弟を失って生きる意味をなくした主人公が生きる意味を見つける話です。あとサスペンスの要素もあります。公式的には青春サスペンスとして売り出してるみたいですね。
メディアワークス 4作に比べると青さは控えめ、本当に透明で透きとおった物語。まぁタイトル通り透明になりきれてはいないのですが…。
佐野作品では珍しく読了後BAD入らなかったです。むしろスッキリしたくらい。佐野作品読もうか迷ってる貴方!『君月』か本作が丸いです。
YouTube 見てたら「おすすめイヤミス ○選」みたいなので見かけて購入。
盲目の王女レイアと彼女を溺愛する国王の父、やけに当たりが強い悪役令嬢キャラのダフネがメインの登場人物であり、レイアが盲目な上に国が滅んで亡命・隠居しているため、食卓と部屋とを往復するだけの半ば軟禁のような生活が描かれます。盲目なので娯楽は音楽と本(を読み聞かせたカセットテープ)であり、まるで中世の貴族のような生活をしています。
ここまで聞いてもイヤミス 要素は無さそうなのですが、中盤からとんでもねぇどんでん返しがありました。さすがに口を開くとこはできませんが、解説は皆川博子 です。是非。
病に至る恋 /斜線堂有紀
メディアワークス の斜線堂の新刊です。以前発売された『恋に至る病』と同じ世界線 の話ですね。 短編が全部で4編入 っています。
文量的にも表題作の「病に至る恋」がメインなんでしょうが、僕個人としてはラストの「バタフライエフェクト ・シンドローム 」がめちゃくちゃ好みでした。
『恋に至る病』では自殺教唆アプリで100人以上の死者を出した寄河景が自分の異常性に気付き、自主的に不登校 になっていたら…?っていうifストーリーになります。
それでも景と宮嶺は出会い、宮嶺は景のヒーローになってしまうのですが、『恋に至る病』の本編やこの一個前の短編である「どこにでもある一日の話」を読んでからだとメンタルにグサグサきますね。
タイトルにバタフライエフェクト とありますが、この変化によって2人の未来がどうなるかは書かれていません。2人で幸せになるかもしれないし、そうでなくなるかもしれない。こういう不確定性があってもいいですよね。Boom Boom Boom Boom Space!
愛じゃないならこれは何(文庫版) /斜線堂有紀
以前読んだ斜線堂初のはじめての恋愛小説、その文庫版になります。後に刊行される『星が人を愛すことなかれ』も含め赤羽瑠璃を巡る物語たちに脳を焼かれてしまった訳ですが、本来なら単行本を持っているので文庫版を買う必要はないはず……
しかし、文庫版刊行に合わせて書き下ろされた「星害を受ける」が東京グレーテル周りの話だったため購入することになりました。
売れないアイドルだったのに1人ヤベーやつが入ってきてバカ売れする物語として『推しの子』みたいな例が挙げられると思うのですが、今回のような売れてないメンバー視点で見る“星”の描写がすこぶる好きなんです。
なんか東グレを擦りすぎてそのうち瑠璃以外のメンバーの話が揃っちまいそうですね。
殺戮にいたる病 /我孫子武丸
「かまいたちの夜 」で有名な我孫子武丸 の最高傑作と名高い1冊です。これを読まずしてミステリーを語るべからずとも言われていますね。
永遠の愛を求めるサイコキラー ・蒲生稔、息子が殺人鬼ではないかと疑う主婦・蒲生雅子、稔に恩人を殺された元警部・樋口の視点がコロコロ切り替わり、時系列もバラバラな本作、一部では「二度読みミステリーだけど二度と読みたくない」とも。
実際、とんでもどんでん返しがあるので二度読みは必須です。どんでん返しがあると知ってて読みましたがちゃんと騙されました。
問題は「二度と読みたくない」の方。原因は単純で殺人の描写が詳細かつ気分が悪くなるような内容だからですね。
基本性行為の最中に首を絞めて殺害するんですが、稔にはネクロフィリア の傾向があるのでめちゃくちゃ屍姦したり乳房や膣を切り取って持ち帰ったりします。その辺の描写がキツい人にはとにかくキツいんでしょう。僕は楽しく読みましたが…。
以前読んだ『NHKにようこそ! 』の続きですね。実に20年振りらしいです。 相変わらずカスのニート 2人と大天使岬ちゃんがメインですが、今度は佐藤くんの先輩が結構出番ありました。
前作は「エロゲを作ろう!」でしたが、今作は「えっちな音声作品を作ってDLsiteで売ろう!」です。最悪。
内容の低俗さはそのまま、出てくるワードだけ現代に順応しています。角川文庫なので栞が入っていたのですが、栞を取ろうとして入ってたページ開いたら見開き1ページに3回くらいPornhubって書いてありました。本当に終わっている。
謎の香りはパン屋から /土屋うさぎ
2025年の第23回「このミステリーがすごい! 」大賞受賞作です。しかし、味の濃いミステリーを期待して手に取った人間からは微妙な評価かもしれません。僕もてっきり可愛い表紙でドギツイ描写をしてくるのかと思ったのですが、殺人どころか凶行すら出てこないものすごくホンワリした作品でした。日常の中で起きるちょっとしたトラブルや悩み事を解決するのが中心で、ギャグをこんな感じの描写に置き換えたごちうさ って感じです。
「このミス!」の選評も収録されていたのですが、これだけでも第23回が荒れに荒れたことが伺えます。
ミステリーを求めている人にはおすすめできませんが、日常に疲れている人には良いかも。以前どこかで「ごちうさ の何が良いのか分からない」って言ってた人に「それはお前が人生辛くないから」と返されているのを見かけました。大体そんな感じ。ギャグマンガ日和
古本屋をウロウロしていたところ、なんか癖に刺さった女が表紙の本を見つけたのでとりあえず買いました。あとオタクなので「アリス」に惹かれました。
不登校 の主人公が逃げ出すように東京を離れ、生き別れて顔も知らない父と出会うために愛媛県 の港町へ。そこでアリスと名乗る表紙の娘と意気投合するけれど、彼女について何も情報がなく、彼女といつも出会う廃線 には幽霊が出るって噂が相まって「あれ、僕が恋した子って幽霊なんじゃ…?」となっていく青春モノです。
こらそこ、序盤の設定が2000年代のエロゲって言わない。
はいはい、Summer Pockets じゃないですよ。
廃線 、廃屋、海辺の灯台 などなど、どこかノスタルジックな夏の港町を思わせる空気感です。
だから!久島鴎と紬ヴェンダース の話はしてないって!!
2010年代のいわゆるラブコメ とはまた違う、清涼感のあるお話しでした。気になる人は初夏にでも是非。
ジャンル的にはイギリスの古典文学らしいです。新潮文庫 版を買ってから光文社古典新訳文庫 から出ていたのを知って泡を吹きました。自分光文社古典新訳文庫 信者なのでね…
さて、内容としてはロンドンで暮らすストリックランドが、安定した職も、温かな家庭も、金も名誉も全て捨てて単身パリで画家を目指す様を知人の作家視点で追う話です。
このストリックランドがまぁクズでして、絵以外に興味を示さない、長年連れ添った妻子をあっさり捨て、友人の妻を寝取り(これはまぁ女側が7割悪いですが…)、寝取った妻も捨て、気難しくて頑固なおっさん。
ほら、とんでもないでしょう?それでもストリックランドの魅力に読者の我々も惹かれてしまうのがまた不思議。
一説ではストリックランドは画家のゴーギャン からインスパイアされたとあります。ストリックランド自身死後評価されるタイプなので作中ではかなり極貧生活をしています。
それでも、ストリックランドが絵に向ける「熱」が彼の自分勝手なクズっぷりを覆い隠し、結果としてかなりおもろい名作となっているように思えました。
ところで、なんで海外文学に疎い僕がこれを手に取ったかと言いますと、前述した『廃線 上のアリス』で主人公とアリスを繋いだのがこの『月と六ペンス』だからです。どっちか読んだらもう片方も是非読んでみてください。
15歳のテロリスト /松村涼哉
メディアワークス ではかなり有名どころの松村涼哉 ですが、今回初めて読みました。これまで三秋だの野崎だの斜線堂だのを読んでいたせいで本作のような真っ直ぐな青春モノはかえって珍しいように感じました。文体自体も読みやすく、初心者におすすめしやすい1冊だったと思います。裏を返せば癖が控えめなので他作品も読んでみたいところ。
ちなみに松村作品はあと2冊積んでいます。乞うご期待。
待望の〈物語〉シリーズ の新刊。語り手が忍野メメ で斧乃木余接 の誕生秘話とかいうファンなら絶対に読みたかった話が収録されています。学生時代の忍野や貝木、影縫さんなどなど、見所盛りだくさん!これ読んだ後『死物語』の撫子パート(下)読み返したくなりました。
阿良々木くん不在はオフシーズンで見慣れたものの、ここまでしっかりした過去編はシリーズ初じゃないですかね。
キャラ単体の良し悪しではなく、ストーリー展開への影響の与え方として好きなキャラが専門家連中と斧乃木ちゃんなのでとても良かったです。これ読んだ後モンストでコラボして引っくり返りましたが。
『Another』『緋色の囁き』等々、綾辻 作品もちょこちょこ読んでいたのですが、一番有名なこれを読んでいなかったので買いました。ミステリー部分がめちゃくちゃ面白くて良かったです。「うわ!!!スゲーこと言いだした!!!!!」ってなった所が巷で言われている「衝撃の一行」と一致して一安心。
この勢いで館シリーズ にも手を出してみたいのですが、何故かどこの書店にも『水車館の殺人 』が置いていないので停滞しています。
毎度おなじみ、“闇”の宮木作品です。とは言っても“光”の宮木作品を読んだこと無いんですけどね。今回のテーマは官能ミステリーらしいです。出てくる大人が男女問わず全員ゲスでクズなのが良かったです。APP19に狂わされるスケベオヤジを眺めるのは滑稽でとてもよかった。やっぱり宮木の書く美しすぎて不幸とチンポを寄せ集めてしまう少女が好きなのかもしれません。不幸、おいしい!
元はセガサターン のゲームだったTHE BLUE DESTINYをノベライズしたもの。僕がB.D.2号機が好きすぎるあまり見かけて2秒で手に取りました。戦闘の描写だけでなく、ゲームでは描かれなかった人間関係がかなり綿密に描かれていたのも高評価ポイント。ゲームだとユウの感情なんて読み取れるもんじゃないですし。
あと注釈がしっかりついています。一年戦争 に関する出来事やメカについて詳しく書かれているのでガンダム あんまり分からないあなたも安心!!是非読んで、僕と一緒にB.D.2の奪取前の布教活動をしましょう。
ここでガンダム をもうひとつまみ。こっちはガンダム 4号機と5号機、そしてアクト・ザク が登場する外伝。超射程ライフルとドデカガトリングが印象的な2機は戦場の絆 やバトオペなどなど、一年戦争 に力を入れているゲームだとよく見るんじゃないでしょうか。フォルドとルース、対照的なガンダム 乗り2人の掛け合いが軽快でとても読みやすかった印象。あとリリア・フローベール がとても良いです。
18歳のジオン兵(♀)←いいね!
乗機がリック・ドム Ⅱ←!!!!!!!!!!!!!!!
可愛いジオン兵がドムに乗っていると仮定したとき、スカートの中が見えるとちょっとドキドキするみたいなことを確かガンダムさん でアムロ が言ってました。上司がバカマザコン でなければ…(名誉のために言っておくとシャアじゃないです)
これはただのオタク話なうえに本書の内容じゃないんで聞き流してもらって良いんですが、フォルドくんが終戦 後ティターンズ でマドロック のエイガーくんと仲良くなってるのがあまりにも良い。しかもちゃんとティターンズ を離脱しているのも偉い。こういう外伝キャラ同士の絡みが好きなんです。
『シラノ・ド・ベルジュラック 』でおなじみのシラノ・ド・ベルジュラック が書いた小説。FGO かなんかでいじられてたけどシラノって実在したんですよ。
ひょんなことで月と太陽 に行った主人公が各地でレスバを仕掛ける話 とまとめてしまえば簡単なのですが、当時の世相に対する風刺が結構効いているのがまたおもしろい。世の中的にはアウトな時代に天動説批判とかキリスト教 批判とか好き勝手やっています。「なんかみんな神や霊魂は実在するだの天動説だの言ってるけど、冷静に考えたらそんなわけなくね?筋通らなくね?」というのを代弁させてるって上で読むとかなり読みやすさが変わると思います。普通に読んだらどこかで折れると思う。『ドグラ・マグラ 』を読んでいて心底良かった、あれよりはまとまりのある話なので…。
結局現代に生きる我々からしたら月世界と太陽世界みたいな作中で「異端」とされている陣営の言い分の方が共感も理解もできちゃうんですが、当時のシラノが一旦この考えに辿り着いた上で批評をさせているのが凄い。17世紀やぞ。
基本哲学談義をしているだけなので合わない人にはとことん合わないと思います。まぁ、その辺の古本屋に並んでいる類いの本じゃないのであまり心配はしていませんが。『シラノ・ド・ベルジュラック 』を読んで興味がわいたら探してみてね。
にゃるらが壁に向かって話してる /にゃるら
にゃるらがネットで垂れ流していた記事をまとめたエッセイ集。にゃるらの思想からお部屋までいろいろなものを覗けちゃいます。シェアハウス時代の話とか深夜にラーメン屋行った話とかまぁ色々なものを見ることができるんですが、それぞれの末尾に付されたグッズ紹介のコーナーがオススメ。電車で読んでるのにプリ☆チャンのデカいぬいぐるみやプリキュア の等身大タペストリ ーの“良さ”について一生垂れ流されるページがいくつもあります。でもモルフォ蝶の標本に∀とターンX を並べてるのはあまりのセンスに脱帽しました。変な人のエッセイは以前にダ・ヴィンチ ・恐山こと品田遊の作品をいくつか読んでいますが、本質的にはかなりコレに近いです。敬意を込めて恐山のエッセイ2冊の隣に並べています。
白昼夢の青写真 /緒乃ワサビ
『天才少女は重力場 で踊る』『記憶の鍵盤』に続くワサビの3冊目!と言いたいところですが、そもそもエロゲー が原作として出ているので怪しいところですね。原作をやっていないのでわかりませんが、識者によると収録されているのはCASE-3、合間合間に幕間としてCASE-0が挟まっているらしいです。
原作だとCASE-1から3がランダムで始まるらしいのですが、今回は3でしたね。あ、気をつけてください皆さん、この本1冊で完結しません。ライトノベル はコレが怖い。以前も『アオハルデビル』でやりましたが、続ける気があるならちゃんと①って書いてほしいものです。
CASE-3なので教育実習生のすももちゃんがメインヒロイン、僕も実習行ったのでその苦労に頷こうとしたのですが、すももちゃんが本当に色々酷くて共感できませんでした。可愛いからおっけー!と言おうとしましたが、(真偽不明なものの)非処女だったのでNGです。こればかりはPC版買って破瓜の描写があるか確認しないといけませんね。
実は緒乃ワサビとの出会いは『天才少女は~』ではなく『アオイトリ 』だったので、あの頃に比べて各段に内容が面白くてよかったです。
※『アオイトリ 』のワサビが面白くなかったわけじゃないんですけど、イマイチメインルートとのシナジー が無かった…。
あとこれ今回はスニーカー文庫 から出ているのでガッツリラノベ です。挿絵もあります。電車等では気をつけて。
逢う日、花咲く。 /青海野灰
これ、良かったにぇ~~~~~~~~~~~~^^(大声)
青海野灰の長編を読むのは初めてでしたが、読みやすくて面白い、入門として完璧。公式からは「ほどまでに残酷で、これほどまでに透明な初恋」って表現されています。
さて、みなさん「記憶転移」って知ってますか?創作に色々触れたことがある人は聞いたことある話だと思いますが、臓器移植を受けた患者がドナーの影響を受けて趣味嗜好が変化するって話です。もちろん科学的根拠はありません。この本は心臓を移植された主人公がときおり夢見る女の子に恋をしてしまったが、夢に出てくる女の子は心臓のドナーだから逢えない ってお話です。切ないね。
母数が少ないのであんま調子こいたこと言えませんが、青海野灰ってこういう恋の相手に会いたいけど会えないシチュエーションが上手。これもそうだし前に読んだ短編の『初恋燈籠』もそう、なんなら次に話す作品もそう。
明けない夜のフラグメンツ あの日言えなかったさよならを、君に/青海野灰
話続きます。こっちは目の前で恋人を交通事故によって亡くした女の子が、図書室の誰も使わない交流ノートを通して恋人かもしれない子とふれ合うお話。先程と違い、明確にサバイバーズギルト が関わってきます。若干SFというか非現実的な描写があるうえでこういう事言うのもアレですが、結局死者は生き返らないし会えない、それでもサバイバーは生きなきゃいけないんですよ。『明けない夜のフラグメンツ』は交流ノートで会話をしている以上ノートが埋まったら本当に永遠のサヨナラになる訳です。なんというか、生きる希望って言うには大袈裟すぎるものの、死別を経験した残された側に「ちゃんと前向け」って背中引っぱたくような作家だと感じました。他の2作も含め。
まぁ、ありふれたテーマかつ割と予想が付く展開なので驚きとかはあんまないものの、最後には青海野からちょっとしたサプライズプレゼントがあるので是非。
取り上げる順番を完全に間違えました。「不倫するやつはバカ」って言ってる妻子持ちの渡部が会社に来た派遣社員 の子と文字通りズブズブになる話です。本当にすみません。
東野圭吾 は『ある閉ざされた雪の山荘で』以来の2冊目、飲みの前に本屋を彷徨く悪癖を発揮してしまった際にバイト先の後輩からオススメされたので買いました。
内容としてはバカの不倫が半分、推理要素が半分って感じです。確かに推理パートはあったのですが、あまりにも不倫パートでゲラゲラ笑いすぎてあんま印象に残ってません。
いや、不倫するヤツはバカ!w→恋しちゃった…妻子になんと言えば…
いや、セックスしなきゃただの浮気、なんとかなるなる成海瑠奈!w→ヤってしまいましたなぁ…
とか繰り返していて本当にバカ。意志があまりにも弱すぎてメスガキさん も苦笑しています。
恐怖心展 /梨 株式会社闇 大森時生
『その怪文書 を読みましたか』『行方不明展』に続く3つめの展示ですね。なんやかんや今回も現地には行けなかったので助かります。
前回前々回と得体の知れない恐怖を与えられてきたわけですが、今回のメインはズバリ「恐怖心」。そう、得体が知れている事物なのです。
怪異的なものだけでは無く、高所や閉所、暗所のような空間から、先端や集合体、嘔吐のような質量を持つものまで多数収録されています。
展示の際に書いてあったであろうテキストだけでなく、音声や動画が見聞きできるQRコード が付いてくるので自宅でも楽しむことができますね。
君を狂気と呼ぶのなら /東崎惟子
まだ年明けて1ヶ月ですが、あまりの面白さ、そして衝撃に「自認月岡恋鐘が選ぶ、2026年マイベストば~~~い2026」に選ばれてしまうレベルの1冊と出会ってしまいました。
帯から分かると思うのですが、最近とあるカルト の話題を口にすることが多いので手に取ってみたところこれが本当に大当たり。宮木あや子 『雨の塔』や三秋縋『君の話』レベルで僕がトリコなら究極のフルコースに入れています。本当に読んでみて欲しい。
あらすじって程でも無いですが、自分のせいで母親が新興宗教 にハマってしまい、父は離婚、姉はグレてヤンキーの仲間入りレベルで家庭崩壊を起こしてしまった主人公の切江ちゃんが、せめて自分だけは母の味方でいようと神に祈る話です。
基本的に胸糞悪い糞みたいな事象しか起きません。ちょっと救いがあったかと思うとそれを遙かに上回る胸糞悪い描写が続きます。
これ分かる人にとっては作風がとてもとても分かりやすい解説なんですが、そんな作者の東崎先生は奈須きのこ を信奉しています。ハイ
HFとかZeroとかずっとこんなんだよね~~って感じです。基本切江ちゃんはロクな目に逢いませんが、要所要所スカッとポイントがあるので本能的に胸糞だのカルト宗教だのが駄目な人以外はかなりオススメ。Twitter で意見とか見に行ったんですが、マジの宗教二世からもかなり好評でした。
聖書を勉強するのが建前のカルトなので、聖句とかジャンヌ・ダルク の話がとても多いです。僕も長らく積んでいた『旧約聖書 創世記』を今読んでますし、作者の東崎先生はFGO でジャンヌ3種(ジャンヌ、水着ジャンヌ、メタトロン )を全員宝具5のLv120にしています。
そんな『君を狂気と呼ぶのなら』、是非読んで感想をツイートしましょう!
気をつけて、東崎先生は書名で検索して引っかかったアカウントを覗いてまでいいねをしてくるぞ!
ヒエッ………
それと完全に余談なんですが、発売自体は25年の12月23日なのですが、僕が手に取ったものは26年1月1日に刷ったと奥付に書いてありました。
出すなよこれを、元日に。
今回の分はコレで以上です。積んでる本の方は自分がどれを読んでどれを積んでいるのか分からなくなってきたので多分出しません。
それと、さすがにサムネをエロゲ縛りにするのキツすぎてやめました。なんか良い画像あったらください。差し替えます。
ではまた、半年以内に出したいですね。